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タカ・イシイギャラリー 京橋
イベント & プログラム
開催中
2024/11/2 Sat. ~ 2024/12/14 Sat.
タカ・イシイギャラリーは、東京の中心に位置する京橋に新たな拠点を設ける運びとなりました。新スペースのオープニング展として、11月2日(土)から12月14日(土)まで、ポートレートをテーマとしたグループ展を開催いたします。本展では11名の作家による約14点の作品を展示いたします。
スマートフォンで気軽に写真を撮影しSNSに投稿できる現代において、他者の顔はいつでも見られるようになりました。家族や友人との思い出の記録は、カメラロールやクラウドでいつでも見返すことができます。事件を起こした犯人の姿は監視カメラに捉えられ、何者かによって提供された卒業アルバムの顔写真がメディアに公開されます。写真技術が普及する以前、他者の姿がどのようなものであったか物理的に残しておく手段が限られていた時代は、もはや遠い昔のこととなっています。古代ローマの博物学者プリニウスは、戦地に赴く恋人の影の輪郭をなぞった女性の行為が絵画の起源であるという神話に触れていますが、そんな時代は現代に生きる我々にとっては想像しがたい世界になってしまったといえるでしょう。
アートにまつわる視覚体験も、それに伴い大きく変化しています。アーティストの人となりが垣間見える、彼らのソーシャルメディアアカウントをフォローしている人もいるでしょう。また、展覧会の情報はネット上で手に入れ、どの作家のどの作品が展示されているのか事前に確認したうえで、実際の作品を見にいく人もいるでしょう。情報が明らかになる現代においては、あえて「ミステリー」を際立たせる手法も見受けられます。本性を明かさず世界各地にグラフィティ作品を残すアーティストや、顔出しをしない歌手やアイドルグループが絶大な人気を博すこともあります。そうした活動を巡っては、ただ作品や歌声が好きであればそれでいいという素朴な意見がある一方で、その正体を何とかして暴こうと執拗なまでに追いかけたり、不確実なネット記事が大量に執筆されるなど、様々な反応が見受けられます。作品を目の前にして、私たちはどのような反応を見せるのでしょうか。光が当たる角度によって影の形が変化するように、そこでは作品をめぐって多彩な解釈が生まれます。
【参加作家】
荒木経惟、五木田智央、掛井五郎、サーニャ・カンタロフスキー、川原直人、グラハム・リトル、松岡一哲、森山大道、村瀬恭子、セル・セルパス、山下紘加
2024年11月2日(土)~2024年12月14日(土)
11:00~19:00
日・月・祝
タカ・イシイギャラリー